なぜ習近平の中国で「100年に一度の大災害」が起きるのか…「地盤沈下」と「異常気象」に共通する「人為説」、そのヤバすぎる正体
大規模開発のツケ
中国南部の広東省では4月18日から降り続く大雨の影響で広い範囲にわたって洪水が発生した。多くの都市で住宅の倒壊や土砂崩れが発生し、少なくとも4人が死亡、10人が行方不明となっている。22日時点で11万人が避難したと言われている。
広東省ではすでに4月としては記録的な雨量を観測しているが、今後、さらに激しい雨が続く可能性が高いことから、中国メディアは「100年に一度の洪水が発生する可能性がある」と危機感を募らせている。
広東省清遠市漢光鎮では4月20日、大雨に見舞われ「100年に一度」と言われる大洪水が発生した Photo/gettyimages
大雨の襲来を受けた広東省の珠江地区が中国有数の人口密集地(人口1億2700万人)であることも、被害を拡大させている要因の1つだ。
大規模開発が進んだことにより、中国の大都市の「脆弱性」が問題になっている。
毎年「10ミリ以上」沈む土地
米学術誌「サイエンス」に18日に発表された研究によれば、中国の人口の29%にあたる2億7000万人が居住する都市部の半数近くが年間3ミリ以上沈下している。中でも6700万人が毎年10ミリ以上沈下している土地に住んでいるという。
中国の大雨は「人災」の可能性がある Photo/gettyimages
地下水のくみ上げが急速に進み、超高層ビルの建設ラッシュなどで都市自体の重量が大幅に増加したことが主な要因だ。
地盤沈下が進む地域の住民は洪水に見舞われるリスクが高くなるが、研究者は「広東省は地盤沈下が最も進んでいる地域の1つだ」と指摘している。
だが、広東省の大雨の直接の原因は異常気象だ。
不可解な「異常気象」
広東省は例年、5月から6月にかけて洪水のシーズンとなるが、今年は早くも4月にその時期が到来している。
広東省広州市気象局は3月30日「同市は3月23日に気象学的に『夏入り』した」と発表した。広州市の夏入りは通常、4月中旬だ。今年は1961年以降で最も早い夏入り宣言となった。広東省では春から秋口にかけて毎年のように洪水が発生しているが、ここ数年、雨の降り方が激しくなっていると言われている。
この傾向は中国全土に及んでいる。
中国水利部も4月1日、「全土が本格的な増水期に入った」との見解を示し、「今年は異常気象の影響で深刻な洪水が発生することが懸念される」と警告を発していた。
しかし、中国のこうした異常気象は自然界によってもたらされたものではない可能性がある。大規模開発のツケによって地盤が沈下するのと同じで、異常気象もまた人間の作為であるかもしれないのだ。
いま、中国に「100年に一度の洪水」をもたらした大雨の原因は、クラウド・シーデイングという技術に注目して開発された「人工気象操作システム」であることが指摘され始めている。
後編「習近平の「雨乞い政策」で日本でも大災害が頻発するのか…中国「100年に一度の大洪水」から浮かび上がる「人工気象操作の闇」」で、さらに詳しくお伝えしよう。