こども園バス置き去り死、遺族が廃園求め9520人分の署名提出「安心して通える園を作って」
遺族から署名簿を受け取る杉本市長(30日、静岡県牧之原市役所で)
静岡県牧之原市で2022年9月、認定こども園「川崎幼稚園」に通う河本千奈ちゃん(当時3歳)が通園バスに取り残され、熱射病で死亡した事件で、遺族は30日、同園の廃園などを求める9520人分の署名を市に提出した。
遺族は、同園を運営する学校法人「榛原学園」の前理事長が事件後、廃園を約束したのにほごにされたとして、昨年9月~今年4月上旬、法人に廃園や運営法人の変更を求め、市にも廃園に向けて法人と交渉するよう求める署名運動をインターネットで実施していた。
杉本基久雄市長に署名を手渡した千奈ちゃんの父親(39)は「もっとまともな経営陣が子どもたちを見ればいい。子どもが安心して通える園を市に協力して作ってほしい」と求めた。杉本市長は「園が社会的、道義的責任を果たし、遺族が納得する説明をするよう求めていく」と述べた。
市によると、法人は入園希望者がいる限り園を継続する意向を示しており、今年4月にも新たに1人が入園したという。
4月23日の初公判で被害者参加制度を使って前理事長に被告人質問をした父親は、「本音で話してほしかったが、肝心な部分は隠されてしまったと思う」と振り返った。