いかなる圧力もイスラエルの自衛を止められない…ネタニヤフ氏の演説に「歴史的な文脈違う」指摘も
エルサレムのホロコースト歴史博物館での式典で演説するネタニヤフ首相=福島利之撮影
【エルサレム=福島利之】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は5日、エルサレムで開かれたホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の式典で演説し、「いかなる圧力も国際法廷の決定もイスラエルの自衛を止められない」と述べ、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を続行する考えを示した。
ネタニヤフ氏は昨年10月のイスラム主義組織ハマスの奇襲を「ホロコーストでない」としながらも、「ハマスの人殺したちは全く同じことをするよう指示されている」と言及した。さらに「80年前、どの国も我々の助けに来なかった。我々は今日、破壊をもくろむ敵と再び立ち向かっている」と述べた。
ナチス・ドイツは第2次世界大戦が終わるまでに約600万人のユダヤ人を虐殺したとされる。ネタニヤフ氏の発言は、自衛を理由に戦闘継続を強調したものだが、ホロコーストをガザの戦闘に重ねるのは「歴史的な文脈が違う」との指摘が国内外から出ている。