【TSN選出】井上尚弥がクロフォード、カネロを抑えて頂点に! パウンド・フォー・パウンド トップ12
【TSN選出】井上尚弥がクロフォード、カネロを抑えて頂点に! パウンド・フォー・パウンド トップ12
各階級にエリートファイターが存在するボクシング界にあって、パウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングへの関心は高まっている。5月6日に井上尚弥がルイス・ネリを粉砕したことで、名門誌『The Ring』や『ESPN』など各メディアでもPFPの新たな議論に火がついた。
ここでは、本誌スポーティングニュース(TSN)のグローバルボクシングパネルが選出するPFPトップファイター12人を紹介する。【2024年5月8日付版】
■ビッグマッチ続きの5月、まずは井上尚弥がトップを奪取
5月に入って、現在のボクシング界で数多くのベルトを手にしてきた2人のチャンピオンが相次いで試合を行なった。1人はメキシコのスーパースター、サウル『カネロ』アルバレスで、彼は同郷の挑戦者ハイメ・ムンギアを相手に判定の末に勝利。もう1人は、日本が誇る『モンスター』井上尚弥で、こちらはルイス・ネリを何度となくマットに沈めて勝利を手に入れた。
その結果、PFPのランキングに大きな変化はなかったものの、新たなファイターが頂点の座に上り詰めた。
第1ラウンドにキャリア初となるダウンを奪われながら、井上は見事なリカバリーと戦術変更を披露し、第2ラウンドで主導権を奪い返すと、ネリを3度にわたってノックダウン。第6ラウンドに奪った右ストレート連打でのダウンでネリを葬り去った。井上は、クロフォード、ウシクよりも頻繁に試合を行っており、カネロと比べても状態(勝ち方・被ダメージ)がよい。
これらの理由から、クロフォードに代わって今回、井上が本誌PFPランキングNo.1に選ばれた。また、スーパーミドル級のアンディスピューテッド・チャンピオン、カネロもまた近年ではいい戦いぶりを見せたことから、4位の座をキープした。
ここでは、スポーティングニュース(The Sporting News=TSN)が選出する現在のPFPランキングのトップ12を紹介する。ボクシンググローバルパネル(編集者・ライター)による評価・選定となる。
TSN選出パウンド・フォー・パウンド ランキング
順位 | 選手名 | 戦績 | 前回からの変動 (2024年5月8日付) |
1. | 井上尚弥 | 27-0 (24 KOs) | +1 |
2. | テレンス・クロフォード | 40-0 (31 KOs) | -1 |
3 | オレクサンドル・ウシク | 21-0 (14 KOs) | – |
4 | カネロ・アルバレス | 61-2-2 (39 KOs) | – |
5 | ディミトリー・ビボル | 22-0 (11 KOs) | – |
6 | アルトゥール・ベテルビエフ | 20-0 (20 KOs) | – |
7 | テオフィモ・ロペス | 20-1 (13 KOs) | – |
8 | エロール・スペンスJr. | 28-1 (22 KOs) | – |
9 | シャクール・スティーブンソン | 21-0 (10 KOs) | – |
10 | ジャーボンテイ・デービス | 29-0 (27 KOs) | – |
11 | ジェシー・ロドリゲス | 19-0 (12 KOs) | – |
12 | 中谷潤人 | 27-0 (20 KOs) | – |
最新PFPトップ・ファイター:井上尚弥
プロボクサーとして10年以上戦い続けてきた井上尚弥が、トップの座まで上り詰めてきた姿は驚嘆に値する。4階級を制覇し、2階級でアンディスピューテッド・チャンピオンの座を勝ち取った日本のパワーヒッターは、全てを兼ね備えた選手と言える。
圧倒的なパンチ力を持つ31歳の井上は、日本のボクシング史上でも最も偉大なファイターであり、伝説ともなっているファイティング原田の偉業を超えたと言っていいだろう。最も強力なパンチを持つPFPファイターであるとともに、最も優れたスキルを持ち合わせた選手でもある。
これまでのキャリアで、オマール・ナルバエス(アルゼンチン)、エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)、ノニト・ドネア(2度、フィリピン)、スティーブン・フルトン(アメリカ)、マーロン・タパレス(フィリピン)、そしてルイス・ネリといった選手たちを相手に勝利を収めてきた。
※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。翻訳・編集: 石山修二(スポーティングニュース日本版)