【高橋恵美子さんの手ぬいで「きものリフォーム」】まっすぐぬうだけ!の2枚重ねのスカート
たんすにしまったままのきものがある、という人も多いのでは。そんな着物の生地を利用して、スカートに生まれ変わらせてみませんか? 今回はてぬいでできるスカートの作り方をご紹介します。今回は手芸家の高橋恵美子さんに教えていただきました。
この記事は月刊誌『毎日が発見』2024年4月号に掲載の情報です。
オーバースカートを巻きスカート風に重ねて軽やかに
きもの地を2枚重ねて、ふわりとした優しい風合いのスカートを作りましょう。
ここで組み合わせたのは花柄と無地。
オーバースカートは左前を少しあけて、アンダースカートの色をのぞかせます。
作り方は簡単。
オーバースカート、アンダースカートともに、きものをほどいて四角い布に戻し、縦方向にぬい合わせるだけ。
絹素材の軽さと艶やかさが魅力です。
シンプルなトップスと合わせるだけでおしゃれが決まります。思い出の詰まったきものや古いきもののイメージを、いまの時代に合う新しい1枚に生まれ変わらせてください。
きものを組み合わせて…色柄の相性のいい2枚を選びます。使った素材は花柄が縮緬(ちりめん)地、無地が薄手の紬(つむぎ)。裏地のない単衣(ひとえ)がおすすめです。始める前に布端に針を通し布通りの確認を。
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きものの身頃をぬい合わせて、身幅たっぷりに仕上げます。ウエストはゴム入りなのではき心地もゆったり。
足の運びに合わせて表情が変わります
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オーバースカートの裾の揺れを楽しみましょう。これからの季節は、透け感のある夏きものの紗(しゃ)や絽(ろ)で作ってもすてきです。
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アンダースカートの丈を長くしているので、後ろ姿からも2枚の色柄のコントラストが伝わります。(写真のスカートは身長170cmのモデル用)
細くて長いスヌードもおそろいで
スヌードは、オーバースカートで使わなかったきもののえりから作りました。
細いので重さがなく、アクセサリー感覚で身に着けられます。
スカートとのコーディネートを楽しみましょう。
結び目を見せたり、2回巻いたり…
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細くて長いからこそできる結び方。きものの色柄のおかげで顔映りも明るくなります。
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ひと巻きめとふた巻きめの長さを変えるとまた違う雰囲気に。スカートとのおそろい感がぐっと増しますね。
きもののえりを輪にぬうだけ
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きもののえりは細長く四角い布。その形を利用します。
布を2回ねじってから輪にぬうので、身に着けると立体感が出ます。
作ってみましょう
<2枚重ねのスカート>
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材料きもの2種…各1枚
ゴムテープ…幅2cm×ウエスト寸法の95%の長さ
手ぬい糸
きものをほどく
きものをほどくと図のような四角い布に戻ります。スカートにはきものの身頃とおくみを使います。
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各パーツを裁つアンダースカートとオーバースカートAはほどいた身頃の幅をそのまま使い、指定の枚数にカットします。オーバースカートBとウエスト布はほどいたおくみで指定寸法を裁ちます。きものの寸法はきものにより異なるので、ウエスト布が足りないときはぬいつなぎましょう。
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基本のぬい方
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(1)アンダースカートをぬう
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(2)オーバースカートをぬう
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(3)裾をぬう
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(4)スカートを重ねてぬう
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(5)ウエスト布をぬう
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(6)ウエスト布をスカートに付ける
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(7)ゴムテープを通す
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<スヌード>
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材料きもののえり…1枚
手ぬい糸
裁ち方
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(1)中表に合わせてぬう
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(2)両端をぬい合わせる
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構成・取材・文/飯田充代 撮影/中島繁樹 モデル/はな スタイリング/石井あすか ヘアメイク/成澤宏人 作図/比護寛子 イラスト/たまスタヂオ
<教えてくれた人>
手芸家
高橋恵美子(たかはし・えみこ)さん
1954年、東京・青山生まれ。初めて手作りする人のための、やさしい手ぬいを提案して40年以上。「日本手ぬい普及協会」主宰。きものリフォームから洋服の手作りなどさまざまなテーマの著書は120冊を超える。