【大学野球】ドラ1候補左腕11回15Kの快投で連続自責0は49イニング 巨人・武田チーフスカウト「キレッキレですね!」
関大先発投手の金丸夢斗 (関西学生野球) (カメラ・馬場 秀則)
◆関西学生野球春季リーグ戦 ▽第5節1回戦 関大0―0同大=延長12回引き分け=(5日・ほっともっとフィールド神戸)
今秋ドラフト1位候補で、関大の最速154キロ左腕・金丸夢斗(4年)が、延長11回で137球を投げ、4安打無失点、15奪三振と力投した。視察した8球団のスカウト陣の前で、昨秋から継続する連続自責0を49イニングに伸ばした。一方の打線は、ここまで無敗の同大投手陣に6安打無得点と沈黙し、延長12回引き分けに終わった。
冷静さが際立った。延長11回2死。最後は146キロの直球で、関大・金丸は15個目の三振を奪った。「後半にピンチは来ると思っていたので、序盤は力を抜いて、後半にギアを上げることを意識した」。7割の力感ながら、初回にこの日の最速149キロをマーク、2回先頭から4者連続三振を奪うなど、立ち上がりから隙一つ見せなかった。
想定通り、ピンチは延長10回に迎えた。味方の失策で1死三塁。ここでスクイズを試みた打者に、金丸は直球勝負を選んだ。「味方のミスをカバーするのがエース。今日のストレートの質的にバントも難しい、真っすぐでミスを誘おう」。バットに当てさせず、飛び出した三塁走者をアウトにした。
直後に打球が右足首を直撃し、ベンチで治療した。137球を投げ、10回以外は三振を奪った左腕は「余力を残していたので、きついとかはなかった」とケロリ。巨人の武田チーフスカウトは「キレッキレですね! 評判通りの素晴らしいサウスポー。文句の付けようがない」と絶賛。オリックス・福良GMら8球団15人のスカウトに衝撃を与えた。
チームは同大投手陣に苦戦して引き分け。今季、金丸が先発した3戦の援護は計1点だが、自身は23年秋の立命大3回戦から49イニング連続で自責0(失点1)を継続。さらに、昨秋の関学大1回戦から続く連続無四球イニングを33、連続無失点を24イニングに伸ばした。「(3月の侍ジャパンで)一流の選手とプレーして、チームのために余裕を持った選手になることを一番学んだ。最近の試合は余裕が出てきた」。見いだした新境地を、真っすぐ歩んでいく。(瀬川 楓花)